今年の桜は令和の御代初めての桜です。3月14日に開花して24日の今朝はほぼ満開のよう、こんな早い桜は覚えがありません。と言うことは散るのも早いということで、4月の声を聞く前に散り急ぐのかもしれません。
今朝上に掲げた写真を撮っていて思いました。アレ、一寸さびしい、と。
境内の桜の多くが老木となりました。3年ほど前には樹木医の方に危険と判定された12本もの桜を伐採しました(杜のことづて2017年5月「残念なお知らせ」)。その後も台風により倒れたり、枯枝を伐ったりで、頭では当然と思いつつ、満開の花をまじまじと見て、改めてそう感じた次第です。
神社は鎮守の杜(もり)とも言われます。こんもりとした「もり」の中に神社が鎮まっているのはよく目にするところです。そこは神様にとっても、私達にとっても居心地良く心安まる場所に違いありません。
当神社の場合も、以前は松や樅等の大木が聳え深閑とした杜だったようですが、今は境内に沿う都道の拡幅や境内諸工事により、また隣地への配慮もあり、大分縮小されてきました。
また参道には以前ソメイヨシノが植えられて大きく成長し、参拝の方々の心を和ませてきましたが、残念ながら寿命を迎えているようです。桜の老木の土壌には菌が多く、土壌を入れ替えないと同じ桜の植樹ができないという難しい問題もあるようです(ソメイヨシノがクローンだからでしょうか)。同じソメイヨシノにするのか他の桜、或は他種の木にするのか、よく検討する必要があります。
更に道路に面した境内の向かいには家々があり、そこに、大木に成長する木を植えることは控えねばなりません。
長い時間をかけてでも、この現代に可能な、豊かな鎮守の杜を形成すべく、十分計画的に植樹に努めたいと存じます。これは社殿等の整備事業に匹敵する大切なことと思っています。
氏子崇敬者の皆様と共に鎮守の杜を護り育ててゆければと存じます。将来樹木(若木)奉納のお願いをいたす機会もあろうかと思います。皆様の奉納される木々が、数十年後或は百年後大きく成長して、当神社の杜をかたちづくり、未来の参拝者の心を和ませてくれることでしょう。